【宝石原産地】ミャンマー モゴック旅行記【ルビーランド】
- 2018.04.30
- ミャンマー

ルビーの名産、世界一はどこなのだろう。どんな場所なのだろう。もっと秘境へ行ってみたいのだけど、中々外国人が立ち入れない秘境にはどんな場所があるのだろう。
こんな質問に答えます。
モゴック(Mogok)の立地と立ち入り制限
モゴックは、ヤンゴンから北へ約675km、マンダレーからは北東へ約115kmの場所に位置している小さな街。高地の山奥にあり、宝石の街として世界的に有名な街です。特にルビーは有名で、ミャンマー産で最も色が赤く最高級なものは「ピジョンブラッド」と呼ばれ、モゴックの名産です。
それゆえ、「お金持ちのまち」「美しいまち」などと呼ばれることが多いです。
僕はヤンゴンに2年半の間住んでいましたが、その時に現地ミャンマー人の方に、故郷のモゴックを案内して頂いた経験があります。
当時、モゴックは外国人の立ち入りは政府の許可制で、2泊3日の間モゴックに滞在しました。ご家族の方々にも大変お世話になり、現地の人しか知らない場所へ連れて行ってもらいました。
ただし現在は、モゴックは政府の方針変更から外国人立ち入りは許可されておらず、いかなる場合でも立ち入りできないことになっています。
そうした背景から、宝石の産地について知りたい人にとって関心のある話かと思い、なかなか行くことのできないモゴックの街と宝石にまつわる話について説明します。
ルビーランドと呼ばれる所以
宝石産業について
モゴックで取れる宝石はたくさんの種類がありますが、中でも有名なのはルビー、サファイア。特にルビーは「ルビーランド」とモゴックが呼ばれているほどに有名で、世界一の産出量を誇っています。
街の人は多くが宝石産業に就いています。宝石を掘る人、削る人、デコレーションする人、売る人、転売する人…。
宝石を発掘するのは、今は大会社(多くは政府所有)が大掛かりに山を削って行なっているようです。地質学等の知識から土地の成り立ちを予想して、特に多く宝石がありそうな山から削っていくんだそう。
今は取りすぎでルビーの産出量はかなり減っているようです。それに対して、昔は家の近くの砂利をこすだけで比較的大きなルビーが取れたということだから驚き。
現地で見せてもらった宝石集
モゴックを訪問すると、バイヤーだと思われて色んな人から声をかけられました。その時に見せてもらった宝石たちをアップしますね。(貧乏性で一つも買ってないけど…)
右上のきれいですね。
こちらは大粒のサファイア。目玉が飛び出るくらい高かったです…。
露店で広げて売っている宝石もあります。
こちらはスタールビーと呼ばれるルビーです。光を当てるとスターの形に光って見えるため。
カッティング前のルビーです。こんなに沢山…!
宝石にまつわるストーリー
バタフライホテル
ミャンマーにはバタフライホテルというホテルがあるのですが、そのオーナーさんはモゴック出身の人だそうです。
モゴックにもバタフライホテルがあって、オーナーさんはモゴックでは宝石業もやっており大金持ちだったそうです。ところが、ある日突然オーナーさんは政府に捕えられてしまったんだそうです。
モゴックでは、儲けていた宝石産業の人が突然政府の人に立入検査を受けてしょっ引かれていくなんてことが、たまにあったそうです…。
面白いのが、このバタフライホテルの人、当時持っていた資産を金(Gold)にして、鉄製ベッドの鉄の中に入れて隠していたんだそうです。ベッドも他の人の手に渡ったけど、鉄の中に金が隠されているなんて気付かずに、バタフライホテルのオーナーさんは釈放後に取り返したんだそう。
バタフライホテルのオーナーさん、戦略家だったんですね…。
中国人による買い占め戦略
モゴックの人たち、というよりミャンマー人は大体そうかもしれないですが、中国人の商売の仕方があまり好きではないようです。
とある中国の方は、3、4人くらいのグループで来店し、口々に商品に文句を付けるのだそうです。そしてお店のオーナーさんが提示する価格よりも全く話にならない位安い金額を提示する。
オーナーさんは当然断るのだそうですが、グループのうち1人以外は怒って店から外へ出ていく。そして残ったグループの1人がオーナーさんを優しくなだめるのだそうです。
そうすると、だんだんとオーナーさんも悪いことを言ったような気になってきて、希望販売額よりも大分安い価格で売らされてしまうんだそうです。中国人は大喜びで、あとでそれを大分高い価格で転売するんだそうです。
村社会
そしてそうした悪い噂は、モゴックでは一気に街中へ広がるそうです。
悪いことはできないですね…。
モゴック観光
ミャンマーらしさの残る質素な街並み
モゴックほどにお金持ちが多いと言われる街ですが、街並みはミャンマーらしい風景が残されていました。
地元ミャンマーの人も、「モゴックでは、お金持ちになっても目立とうとして立派な建物を建てたりしない、だから昔ながらのミャンマー田舎町の風景が残されているのが良い」と話していて、僕も本当にそうだなと思いました。
宝石マーケット
モゴックには宝石マーケットがいくつかあります。露店に宝石を広げている人も沢山いて、見たことのないような宝石が沢山あり、見ているだけでもとても面白いです。
採石場
モゴック周辺には、多くの採石場があります。現在も稼働しているものが多くあります。
もちろん許可が無ければ中には入れないですが、遠くから見るだけでもモゴックにいることを実感できます。
シュエグージーパゴダ
モゴックにも他の街と同様、ミャンマーの寺院である「パゴダ」がいくつかあります。その中で最も有名と思われるのがシュエグージーパゴダ(Shwe Gu Gyi Pagoda)です。
モゴックの街中には、昔の採石場の名残として大きな湖があるのですが、このパゴダからはその湖と周辺の街並みを一望することができます。
他にもモゴックには素敵なパゴダが多くあります。
モゴックのレストラン
市場の新鮮な食材
モゴックは山奥の小さな街なので、食べ物には困るかというと全くそんなことはありません。
というより、モゴックは高地で涼しいのもあり、市場にある食べ物が新鮮なので、とても美味しく感じます。上の写真は大量すぎる唐辛子です。
シャンカウスエ
シャンカウスエという、ミャンマーの代表的な料理の一つが美味しすぎて、ミャンマーにいる間はほぼ毎日食べていました。
シャン州のカウスエ(麺)なのでシャンカウスエと呼ばれますが、シャン州に位置するモゴックでもシャンカウスエは絶品!
ヤンゴンのシャンカウスエと違い、スープが多くあっさりとした味付けで、多くのお店があり非常に美味しくいただけます。
フルーツスムージー
フルーツのスムージーが最高でした。さすが食材が新鮮なので美味しいです。こちらはアボカドのスムージー。しかも安いです。一杯2000Kyat(160円)。
知り合いのお宅で頂いた料理
モゴックでも色々と頂きましたが、やはりお宅で頂く家庭料理が一番でした。どの料理も最高に美味しかったです。
モゴックのホテル
King bridge
なかなか行くことができないモゴックなので、参考になるかは分からないですが、泊まったホテルも載せておきます。「King bridge」という比較的新しいホテルに泊まりました。
1泊100ドル以上と、さすがホテル代が高いミャンマーなだけあって値は張りますが、快適な良いホテルでした。
他にもモゴックにはいくつかホテルがあって、将来的に観光の街としてももっと大きくしていく方針があるようですね。
ただ一方訪問客はかなり少ない様子で、今回僕が泊まったホテルもほぼ貸切のような状態でした。
以上、「ルビーランド」モゴックの紹介でした。宝石の街として有名ですが、行ってみると昔ながらのミャンマーの風景が色濃く残る、とても人が温かい場所でした。ぜひ再訪したい街です。
ミャンマーに関する記事は以下も合わせてどうぞ。
-
前の記事
【見所満載な秘境】モンユワの観光ルート・ホテル【体験談】 2018.04.29
-
次の記事
ブログ続かない問題への自分なりの解【文章まとめ方・テーマ設定】 2018.05.01